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嘔吐下痢の処理(吐物の処理)について

嘔吐下痢症の季節になりました。所かまわず吐かれると、吐物の処理に困りますよね。原因ウイルスが分かっている場合は稀ですので、今回は、消毒液を使った「ここまで出来たら立派な感染予防」という処理方法について書いてみます。

(★)少し濃い消毒液(1000ppm)

:水1Lに20mL(キャップ1杯弱)を入れる

(☆)薄めの消毒液(200ppm)

:水5Lに20mL(キャップ1杯弱)を入れる

㊟ 家庭用の消毒液に多い、

濃度約5%、キャップ1杯25mlとして記述しています。

 

①塩素系漂白剤(ハイター、ブリーチなど)が利用可能な場合

塩素系漂白剤を希釈した消毒液で、ペーパータオルや雑巾、新聞紙などをたっぷり使って嘔吐物を幅広く覆い、上から嘔吐物と同量程度の少し濃い消毒液(★)を静かにかけます。ヘラや板などを使って外側から内側へよせながら取り除き、2重にしたビニール袋に入れます。続いて、嘔吐した位置から半径2.5mを薄めの消毒液(☆)とペーパータオルを用いて拭きます。拭き取った物は、同様にビニール袋に入れます。自分の足の裏も汚染されている可能性に注意しましょう。塩素によって床が痛む可能性があるので、最後に、消毒した範囲を水拭きします。

 

②塩素系消毒液が使用できない場合

カーペットやソファ、布団などに塩素系漂白剤を使用すると、変色したり劣化したりしてしまいます。その場合は、熱湯を使ってウイルスを退治します。まず嘔吐物をタオルなどを使って静かにすばやく取り除きます。水分が多い時は、最初に、紙おむつ、生理用ナプキン、ペットシーツなどをあてて吸い取ると、奥まで染み込むことを防げます。その後、熱湯による加熱消毒を行います。加熱消毒に便利なのが、ペットシーツです。汚染された場所全体をペットシーツでカバーします。防水面を下、吸水面を上に向け、熱湯を吸水量いっぱいまで注ぎます(商品によって量が異なるので事前に確認すること)。85~90℃で90秒以上加熱すればウイルスの感染力は失います。使用したタオル、ペットシーツなどは、「①塩素系漂白剤が利用可能な場合」と同様に、2重のビニール袋に入れて処分します。熱湯を準備したやかんやポットの消毒も忘れずに行ってください。

 

③汚れた布類はつけ置き消毒か熱湯消毒

嘔吐物が付着した布類も感染源になります。そのまま洗濯機で他の衣類と一緒に洗うと、洗濯槽内と他の衣類にウイルスが付着し、一気に拡散してしまいます。バケツを用いて水洗いし、次に、薄めの消毒液(☆)に1時間程度浸すか、85~90度で90秒以上加熱してから洗濯機にいれます。(この処理で痛んでしまうような衣類は、残念ですが思い切って捨てましょう。)

 

④水回りの消毒も念入りに

嘔吐・下痢の人が使用した便器の内側は、ウイルスの巣窟です。換気を良くした状態で、少し濃い消毒液(★)を使って消毒します。トイレの床や洗浄レバーやドアノブ、ペーパーホルダーなどは薄めの消毒液(☆)とペーパータオルを用いて消毒し、その後水拭きをします。さらに、ウイルス感染が疑われる人が使用した食器も消毒が必要です。使用後すぐに、薄めの消毒液(☆)に5~10分浸してから洗います。