熱性けいれんだろうと思います。熱性けいれんを起こしやすい体質は遺伝するといわれていますので、お母さんの体質が伝わっているのでしょう。大人が熱を出すときに急に「さむけ」がすることがあります。この「さむけ」が、子供の「ひきつけ」です。子供の10~15人に1人が熱性けいれんの経験があるといわれています。熱性けいれんはくせになるといいますが、約1/3の人が2度の「ひきつけ」を、約15%の人が3度の、約9%の人が4回以上の「ひきつけ」を経験しているそうです。熱性けいれんの2~4%がてんかんに移行するとされていますが、(1)家族に熱なしでけいれんを起こした人がいる。「ひきつけ」が、(2)30分以上続く、(3)1日に2~3回続くときは要注意といわれていますので、お子さんの場合は心配ないと思われます。また知能障害が残ることもないようです。子供さんが急に「ひきつけ」を起こすと、驚いて救急車を呼ぶということになりがちですが、落ち着いて静かにしておきます。嘔吐しやすいので体を横に向けて、指や箸を歯にかませるのは嘔吐物を誤嚥する危険がありますので止めてください。子供の場合舌をかむことはないそうです。高い熱があるときですから、頭を冷やし、熱さましの座薬と、あればけいれん止めの座薬か飲み薬を使ってください。「ひきつけ」は数分間で止まります。「ひきつけ」が10分以上経っても止まらないときは、救急病院か、かかりつけの医師に連絡をとってください。熱性けいれんを数回経験している人はあらかじめ「ひきつけ」予防の薬を常備しておくとよろしいでしょう。ともかく、熱性けいれんで生命が危険になることはまずありません。落ち着いて対処してください。(昭和63年7月6日 敦郎)