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「いつでもどこでも」は「危険信号」

最近、睡眠専門医の先生の講演を聞きました。私は「いつでもどこでもすぐに眠れる」と睡眠自慢をしていましたが、実は、それは体の「危険信号」なのだそうです。良い睡眠では、眠りに入る体内環境が整って眠気が緩やかに訪れる為に15分間はかかるハズで、寝つくまでの時間も日々変動するのが普通です。「毎日、寝床に入るとあっという間に寝てしまう」という人は、慢性的な睡眠不足を抱えている可能性があり、特に、普段よりも早く寝床に入ったときにも寝つきが良い場合は要注意です。睡眠は後ろにずらす(夜更かしをする)ことは簡単にできても、前にずらす(早寝をする)のは難しいという特徴があるからだそうです。さらに、昼間に「どこでも眠れる」という場合は、「赤信号」だと言われました。極度の睡眠不足状態か、睡眠時無呼吸症候群などを疑わなければならない様です。「赤信号」の人に共通して見られる特徴が、「寝床に入ればバタンキュー」「いつでもどこでも眠れる」です。これは健康的な眠りのサインではなく、体の悲鳴なのです。若い頃の私は36時間勤務も日常的で、短い睡眠をつなぎ合わせて生活していました。「おかげですぐに寝られる『特殊技能』を体得した」と思っていました。慢性睡眠不足だったのですね(笑)。今は肥満が原因で眠りが浅い状態なのでしょう(苦笑)。