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特集:新型インフルエンザについて教えてください。

① Q . 新型インフルエンザとはどういうものですか?。
A . インフルエンザA型は遺伝子の変異が起こりやすく、毎年流行するインフルエンザの「型」が問題になるのはこの為です。通常は、過去の人生で経験して免疫を持つ「型」なのですが、30~40年周期に人が免疫を持たない新しい遺伝子配列を持つ「亜型」が出現し、世界流行(パンデミック)するといわれています。皆が初めて経験するA型インフルエンザが「新型」なのです。
② Q . 季節型インフルエンザと新型インフルエンザの違いは何ですか?。
A . 大きな違いはありません。共に、発熱、咳、のどの痛み、全身倦怠感などの症状で、多くの人が軽症で治ります。はっきり異なる点は、「新型」は多くの人が免疫を持っていない為に感染者が多くなる点、「季節型」は高齢者が重症化する例が多いのに対し、「新型」では基礎疾患を持っている人(喘息、心疾患、糖尿病、腎機能障害、免疫異常などのために、医師に重症化のリスクが高いと判断されている人)を中心に重症化する例が多いという点です。
③ Q . 季節型インフルエンザワクチンを接種すると、新型インフルエンザにも効くのですか?。
A . 季節型インフルエンザと新型インフルエンザの遺伝子構造は似ていますが全く別ものです。季節型ワクチンでは新型インフルエンザに全く効果がありません。反対に、新型ワクチンの季節型インフルエンザへの効果もありません。
④ Q . 新型インフルエンザワクチンの有効性は?。
A . 重症化、死亡の防止について一定の効果はあるものの、効果は100%ではありません。過剰な期待は禁物です。新型インフルエンザワクチンのデータはありませんが、参考に季節型ワクチン接種による効果を記載します。「*健常者のインフルエンザの発病割合が70~90%減少 *一般高齢者の肺炎・インフルエンザによる入院が30~70%減少 *小児の発熱が20~30%減少」
⑤ Q . 新型インフルエンザワクチン安全性は?。
A . 新型インフルエンザワクチンは、季節型ワクチンと同じ製法で製造されるため、安全性については季節型ワクチンとほぼ同程度です。ただし、輸入新型インフルエンザワクチンは、国内で使用経験のないアジュバント(免疫補助剤)が使用されており、製造方法も異なるため、未知の要素がたくさんあります。
⑥ Q . 季節型・新型のインフルエンザワクチンの接種回数はそれぞれ何回で、間隔はどのくらい開けるのですか?。
A . 今のところ、季節型ワクチンは今まで通り13歳未満は約4週間間隔で2回、13歳以上は1回、新型ワクチンは年齢にかかわらず免疫がないため4週間間隔の2回接種が望ましいと思われます。1回接種でもある程度の効果が期待できるという報告も出てきています。過去に経験のないインフルエンザであるため、今後の新しい情報に注意が必要です。
⑦ Q . 新型インフルエンザワクチンは、いくらですか?。貴院で出来ますか?。
インフルエンザのワクチン接種は、いつから開始するのですか?。
A . 新型インフルエンザワクチンの接種は、接種優先順位・接種方法・接種医療機関・価格・公的援助など、全て検討中です(9月末現在)。10月下旬より、今後決定する優先順位に従って順次接種が行われる予定です。季節型インフルエンザワクチンも、「新型」の影響を受けて混乱が生じているため、当院にも「10月初旬頃から供給できる予定」という情報しか入ってきていません。
⑧ Q . 新型インフルエンザは、季節型に比べてどのくらい危険なのですか?。
A . 多くの人が免疫を持っていない分、流行しやすく、感染者数は多くなりそうなので、感染の「危険」は、かなり高いと思われます。「致死率」という指標による「危険」は、「季節型」が0.1%以下と言われるのに比べて、「新型」は0.4%とも言われています。ただ、0.0004~0.06%という報告もあり、初めての病原体である為に正確には分かりませんが、「季節型」と大きな差は無いようです。
⑨ Q . インフルエンザの迅速検査キットで陰性だったのに、インフルエンザかもしれないと言われました。どういうことですか?。
A . インフルエンザ迅速検査キットには、鼻の粘膜をぬぐった綿棒にインフルエンザウイルスが3~5千個付着していないと「陽性反応」が現れない検査上の限界があります。感染早期では検知出来ないことが十分あり得ますし、検体の採取方法によっても検知率は異なります。全体で考えると、検査感度は60~70%の正確性だと言われています。迅速検査キットへの過度の依存は、危険を含んでいます。迅速検査キット本来の目的は、診断の「参考」にする事なのです。
⑩ Q . 3ヶ月の女の子の母親です。私が新型インフルエンザなってタミフルを処方されました。娘への授乳は止めた方が良いのですか?。
A . 母親が新型インフルエンザになったということは、濃厚接触しているお子さんにも感染する可能性が高いと思われます。特に月齢の低い乳児では、母乳の持つ感染防御因子を補充する目的としても授乳は必要です。乳児にも必要に応じてタミフルを使用することもあります。母乳を介して乳児に届くタミフルの量など比較になりません。母乳は低年齢児にとって「薬」や「予防接種」の代わりにもなるので、授乳を止める必要はありません。
⑪ Q . 家族に新型インフルエンザ感染者がいた場合、同居する兄弟は幼稚園や学校に行かせていいのですか?。
A . 無症状で元気な場合は、慎重に様子を見ながら普段通りの生活で結構です。
⑫ Q . 新型インフルエンザでの「出席停止期間」は、どの位ですか?。
A . 現在愛媛県の「新型インフルエンザ危機対策本部」は、「発症した翌日から7日間又は解熱してから2日後までの間」としています。
⑬ Q . 家族に新型インフルエンザ感染者が出た場合、家族は「予防内服」をした方が良いですか?。
A . 無症状で元気な人、感染すると重症化する危険のある基礎疾患等を持っていない人は、予防内服の必要はありません。発症早期からの対応で十分です。
(平成21年9月18日)