診察室から

ホーム > 診察室から >

ワクチン予防接種について

昨日9日(火曜日)、愛媛新聞の3面の1/8ほどのスペースを使ってひっそりと、「コロナワクチン接種後死亡」「一時金県内9件」の記事が掲載されていました。記事の内容には、「6月25日時点で106件の救済申請があり61人の救済が認められ、死亡一時金の給付申請は21件あり、認定9件、否認2件、審査中10件」とありました。「臨時」で「緊急」な状況下でのワクチンの予防接種ですので、「副反応」のリスクを考えても、第一線で働く医療者として、私もワクチン接種を繰り返しました(最後の一回は強すぎる副反応の為、診療自体ができなくなりそうで逃げましたが・・・苦笑)。リスクがあっても必要な事があることは理解しているつもりですが、「ひっそり記事」には驚きました。

第一線で働いている医師の私が、新聞で事実を知る現実。コロナ禍では、すべての情報は所属する「厚生労働省」よりも皆さん同様、マスコミからの情報が先んじていました。

今年の秋以降、子供を中心に「インフルエンザワクチン」の「注射」ではなく「鼻から吸うタイプ」が市場に出てくるそうです。どうやら「生ワクチン」らしい。情報はそれだけです。

「注射」というだけで恐怖で暴れる子供に有効な「鼻からの吸入」ができるでしょうか?接種する側も全く未経験のタイプのワクチンです。事前に、接種者にどれほどの情報が得られるでしょうか?本来懐疑(かいぎ)心の強い性格の私です。今後の情報次第でしょうが、現時点では、少々後ろ向きな私は医療者失格なのでしょうか・・・・。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

更新(8月4日現在)

先日知りました。「鼻から吸うタイプ」は「生ワクチン」だそうです。一回完結ですが、軽く注射剤の2回分以上のコストになりそうです。副反応情報も、鼻からの暴れる児への使用、どのくらい垂らしてしまったら有効量と言えなくなってしまうのか、鼻水と共に出てしまったら・・・。だいたい供給は満たされるのか?。まだ全く満足いくデータはいただけません。現状のままでは、私は今シーズンの「鼻から吸うワクチン」の導入は見合わせることになりそうです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

更新(8月13日現在)

本日の愛媛新聞朝刊に、「HPVワクチン接種検討して」という記事がありました。

個人的には、このワクチンに関しては、頑なな意見・方針がある方は別として、

「迷うくらいなら、打ったほうが良い」と考えています。

当HPの「健康ワンポイント」に、「子宮頸ガンと人パピローマウイルス感染症」と題して書いています。ご参照ください。