先週の土曜日の朝、急に病院のネット接続が出来なくなりました。マイナ保険証が強く推し進められている医療現場でのネットトラブル。診療には致命的な事です。当院は院長が極度なメカ音痴なので、診療のオンライン化が遅々として進んでいません。先日送られてきた厚生労働省の封書には、当院スタッフの「マイナンバーカード」保有率が50%でした。院長がメカ音痴という環境が悪いのでしょうか。マイナ保険証の保有、ひいては完全電子化なんて遠い未来の話。
私は30年前に国立病院に勤務していたので、現在のネット医療環境の実験、最先端の実験を強いられていた事があります。紙カルテに書いて、パソコンにも打ち込んで、パソコンで指示して、パソコンで検査伝票をプリンターで打ち出して、プリンターで打ち出した検査ラベルを採血管に貼って・・・。パソコンのトラブルがあると、紙カルテとカルテを手に走ってしのぎ、回復後には夜遅くまでデータ入力をして・・・。
厚生労働省は、紙カルテも廃止、完全電子化の方向に向かわせたいようです。
私は、メカ音痴の頑固な「紙カルテ派」です。診療中に患者さんを診る時間より、パソコンを見る時間が長くなりそうだからなのです。「ガラパゴス」でしょうか?(苦笑)。
でも、地方で頑張っていた私の先輩小児科医2人、ネット化に向けた「カードリーダー」導入をきっかけに廃業されました。小児科医院大量廃業時代の波は、ここ数年の今治市にも押し寄せてきています。他の科でも、病院でも、地方に行けば行くほど廃業は進んでいます。
春分の日の今日、私はNTTさんに御迷惑をおかけして、朝からネット環境の回復に努めていました。病院のネット環境を失って5日目、NTTさん曰く「原因不明。プロバイダーとの契約問題か?」との事。明日もネット環境が無い診療が決定です。完全電子化されていたら・・・診療は出来ずに大変な事になっています。
私は、先日「保険証」の住所変更をしました。「保険証」の使用期限は9月まであったのですが、国民健康保険組合から送られてきた私の「新しい保険証」は、「国民健康保険資格確認書」でした。私がマイナンバーカードと「ひも付け」していないからなのですが(笑)。
「マイナ保険証」をお持ちの患者さんには申し訳ありません。当院は、院長がメカ音痴、時代遅れの「ガラパゴス」の為にもうしばらく御迷惑をおかけしそうです。