人は昼行性の動物ですが、生後早期には昼夜の区別はつきません。その結果、子供の夜の様子に関わる色々な悩み・不安・心配が生じます。多くの方は、二つの大きな「勝手な思い込み」をしているのです。
(1)「子供は寝付いたら朝までぐっすり眠るもの」・・・ではありません!
眠りには、浅い・深い眠り、夢を見ている時・見ていない時などがあります。一晩の眠りは、このような様々な眠りがセットになって繰り返されます。生直後はこのワンセットが40~50分です。その後次第に長くなり、2歳で75分ほど、大人で約90~100分になります。レム睡眠や浅いノンレム睡眠の時には、寝言を言ったり身体を動かせたり、寝ぼけたり、泣いたりもします。完全な「ぐっすり」は続かない。それが普通の眠りなのです。
(2)「子供は夜になったら眠るもの」・・・ではありません!
生体時計の1日は、大人も子供も25時間です。本来大人も子供も、朝寝坊や夜更かしの方が楽に出来ているのです。昔の子供達は、外で身体を使って遊びまわり、夜は疲れ果てて眠れました。外で遊ぶ子供達の姿を見かけなくなってしまった昨今、カードゲーム、ファミコン、テレビ、パソコンなど、静的な遊びが主体になってしまいました。大人が子供達を寝かせなくしているのです。こんな時代だからこそ、眠りに至る段取り(入眠儀式)が必要なのです。眠りには光と音は大きな要因です。入眠儀式の時には、部屋を暗くして静かな環境を整えましょう。子供は自然に眠るものではありません。家族みんなで協力して「寝かせつける」ものなのです。子供の睡眠覚醒リズムの鍵は、親が握っているのです。(平成19年9月19日)
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令和6年8月10日更新
先日、3歳の子供が「夜に寝ぼけて怖いと言って起きてきて困る」と相談を受けました。思い返すと私の長男も良く、1歳~2歳頃の夜泣きが多い時期よりも長く、「夜に怖いと言って寝ぼけながら号泣」していました。当時の医者の労働条件は今のように恵まれていなくて、36時間眠られない勤務が月に5~6回は普通にありました。経験だ!。修行だ!。と受け入れていたのですが、現代なら大問題ですよね。そんな36時間夕方まで勤務していた日の夜、明日の朝も7時半出勤の深夜、妻と3人で「深夜のドライブ」をしたものです。車の振動が眠りの誘発に効果的なのです。比較的繊細な、感受性の豊かな子供に多い印象を受けます。思い出したらそんなこともあったなぁ~・・・。一時期の事です。楽しむゆとりが持てたら良いですね。