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冬期嘔吐下痢症

まだ典型的な嘔吐下痢症は流行っていませんが、毎年寒さが厳しくなってくると流行り始めます。ロタウイルスが原因で2~5日の潜伏期の後、嘔気・嘔吐から始まり数時間から24時間遅れて下痢が起こります。下痢は米のとぎ汁の様な白い水様便で一日に10回以上にもなります。お兄ちゃんやお姉ちゃんもかかることはありますが、症状は小さい児ほどひどくなるようです。嘔吐下痢症で怖いのは、嘔吐と下痢のために体の水分が上から下からどんどんと失われて起こる脱水症です。脱水状態のサインには次のようなものがあります。

(1)口の中が乾いて、つばがネバネバする。
(2)目が落ち窪んで顔色が青白い。
(3)ぐったりして反応が鈍い。
(4)尿の量、回数がへる。
(5)尿の色が濃くなる。
(6)皮膚の張りが無くなる。
このようなサインが見られれば病院への受診が絶対必要ですが、水分補給ができていれば慌てる必要はありません。特効薬はありませんから、治療は家庭での食事療法(いかに水分補給をするか)が一番大切です。

=家庭での治療=
「吐き気が激しい時はしばらくは何も与えない。」
多くの場合、少したてば吐き気は落ち着きます。それまでは慌てる必要はありません。

「吐き気が少し落ち着けば少量の水分から。」
はじめは杯(さかずき)一杯ぐらいの少量から。15~30分様子を見てさらに一杯。吐かなければ、少しずつ回数を分けて飲ませてください。白湯、番茶、麦茶、イオン飲料、薄めたリンゴ果汁などがいいでしょう。柑橘系果汁やジュースは吐き気を誘うので勧められません。母乳の場合は短時間で切り上げて、回数を多くしてください。

「嘔吐が落ち着き下痢だけになったら」
便の様子を見ながら、少しずつ消化のいいものを与えてください。ミルクは最初は薄めで、便の状態をみて少しづつ濃くしていくのがいいでしょう。

(平成16年1月8日)