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「疑問覚える子どものしつけ方」

愛媛新聞の2月26日朝刊の「こだま」に、「疑問覚える子どものしつけ方」という会社員からの投稿文がありました。悪いことをした子どもに、「おじさんに怒られるから止めなさい」と言っていた。これを聞いた子どもは多分、自分は悪いことをしていないのにうっとうしいおじさんのせいで邪魔されたと考えるだろう。というものでした。
診察室では、「言うこと聞かない子は、先生に頼んで注射してもらうよっ。」という言葉を良く耳にします。これは、誤ったしつけ言葉です。確かに注射は痛いものです。嫌なことです。しかし、現代社会では、多くの人が生きていく限り注射が必要な時は必ず来ます。そう言われて育った子どもは思うでしょう。「悪くないのに何で注射?」子どもの中に大きな矛盾が生まれます。親やおじいちゃん・おばあちゃんに対する不信感に成長し、「自分が中心」の世界を創ってしまうことになるかも知れません。
私はいつも、子育ては楽しんでください。もっと気楽にいきましょう。と言い続けています。お願いします。大変だけど楽しい子育てには、意外に「危険」な言葉もあることにはご注意ください。
(平成16年3月13日)