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スマホ認知症

先日医学雑誌で、「スマホ認知症」という病的状態が認知されてきたという記事を読みました。脳が健康な状態を保つために必要なことは、情報を脳に入れることと、その情報を深く考えて整理することをバランス良く行うことです。スマホの登場で現代人は「情報入手」だけが多い状態になっています。情報は、考えて整理する時間がないほど流れ込んできています。気がつけば、脳は情報で「オーバーフロー」の過労状態となっています。そのため、物忘れや感情のコントロールができない、自分らしさを失うといった、うつ病や認知症と同じ症状が引き起こされる状態、それがスマホ認知症なのだそうです。

何よりも問題なのは、この状態が長く続くと、「うつ病のような」ではなく「本当のうつ病」になってしまう危険性があることです。

子供の頃からスマホに触れる機会の多い現代人。誰にでもうつ病のリスクが高まっているということです。赤ちゃんの頃からの「おもちゃ代わり」や「スマホ子守り」は良くないですよね。

スマホ認知症の対策は「スマホを見過ぎるという生活習慣を変える」という簡単なことですが、特に意識したいのが「ぼんやりタイム」だそうです。何となくぼんやりしている時間は、実は脳にとっては大切で、その間に脳の「入力部分」は休んで、ゆっくりと情報処理をしているのです。ぼーっとすることが、推奨されるなんて、変わった世の中になったなぁと思いながらも、パソコンの「変換」に頼ってばかりで、漢字は読めるけど書けなくなってきている自分を反省しました。