突発性発疹症は主に生後1年以内の乳児がかかり、2~4日高熱が続いた後、急に熱が下がると同時に全身に麻疹のような発疹がでる病気です。最近エイズウイルスの研究をしていて、偶然見つかったヒトヘルペスウイルスー6(HHV-6)というウイルスが突発性発疹症の原因であることが分かりました。しかしながら突発性発疹症のような発疹は、エコーウイルス16型(ボストン発疹症)、エコーウイルス25型、エコーウイルス18型、コクサッキーウイルスB5型などによっても起こることが分かっています。突発性発疹症に二度かかってみたり、お子さんのような年長児が突発性発疹症にかかったようにみえるのは、これらのウイルスによるものでしょう。(平成6年4月7日 敦郎)
私が医者になり始めの四半世紀前には、「突発性発疹症」は、「ほとんどの場合が1歳頃までには皆(みな)感染する」と学んでいました。小児科医を続けていると、「突発性発疹症」の発症年齢は高年齢化しているように思います。相変わらず1歳前後までに多いのですが、ここ数年特に、4~5歳でも「突発性発疹症」がみられることがあります。診療所レベルでは、正確な診断は不可能なのですが、研究レベルでも報告がみられています。「年長児だから、他のウイルスでしょう」とは安易に言えない時代になっています。(平成29年4月23日更新)