大きく分けて①～④の様な原因を考えます。言葉の発達には耳がしっかりと聞こえていることが重要です(①)。多くの子供は新生児期に、聴力スクリーニング検査を受けていると思います。ただ、新生児期には正常でも、中耳炎の繰り返しなどの原因で聴力が低下していて、乳幼児の言葉の発達に影響があることがあるので注意が必要です(②)。「発達性言語障害(言語症)③」は、他の面での発達の問題がないにもかかわらず、言葉が遅れる場合です。こちら側からの言葉の理解が良好な場合と、理解も難しい場合とがあります。ただ、ジェスチャーなどを通じた周囲の大人とのコミュニケーションは良好です。「神経発達症(発達障害)④」の中で、自閉症スペクトラムの子供の多くは、言葉の遅れを伴っています。言葉だけではなく視線も合いにくかったり、ジェスチャーや身振りなどによるコミュニケーションにも課題があるのが特徴です。また言葉の発達には、幅広い認知機能(知能)の発達が必要です。知的な課題がある子供達には、言葉の発達が遅れることもしばしばみられます。
