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「新型インフルエンザ第2波とインフルエンザワクチンについて」

① Q .今年のインフルエンザワクチンには、昨年流行った「新型インフルエンザ」は含まれているのですか?。
A .はい。今年のインフルエンザワクチンは「A香港型・B型・新型」の3種類の混合ワクチンです。昨年の様に「季節型」と「新型」と別々に接種する必要はありません。
② Q .今年の「季節型のワクチン」に「新型」の「H1N1ウイルス」が含まれて、まとめて「季節型」として扱われるそうですが、パンデミックが終わった事を意味するのですか?。
A .「新型インフルエンザ」は、ほとんどの国では流行を経験しましたが、いくつかの国々では今でも流行が続いています。過去のパンデミックの経験から、インフルエンザパンデミックは2回以上の波が来る事が知られています。今年(来年春までに)、第2波が来る事は確実だと言われていますので、特に心臓や肺の基礎疾患(持病)がある人は、ワクチンの接種が勧められます。
③ Q .昨年流行した「新型インフルエンザ」は、今年も「新型」と呼ばれるのですか?。
A .今年のインフルエンザワクチンには「季節型」として含まれますし、「昨年流行済み」という事で一般に「新型」とは言い難いのですが、今年も昨年と同じ型のインフルエンザウイルスが第2波として2回目の流行をする事は確実の様です。「新型」という方が一般に理解されやすいので、通称「新型」として扱われると思います。「インフルエンザA(H1N1)2009ウイルス」と言う方が正しいのですが、面倒ですよね。
④ Q .昨年、「インフルエンザA型」に感染しました。主治医に、「新型」だと言われたのですが、実は「季節型のA香港型」だったという事もありますか?。
A .昨年「インフルエンザ」と診断された人のうち詳しく検査出来た人のデータでは、99.29%が「新型」だったそうです。主治医の先生がおっしゃる様に、「新型」に感染されていたと判断してもよさそうです。
⑤ Q .昨年、新型インフルエンザに感染しました。今年のワクチンに「新型」が入っているそうですが、ワクチンをうっても大丈夫ですか?。
A .接種することに問題はありません。昨年かかっていない人と副作用の頻度にも差はありません。「A香港型」にかかる事も考えられますし、むしろ今年1回接種することで、追加免疫としてより確実な抗体を獲得する事も出来るでしょう。12歳以下の小児では抗体が持続し難い傾向もありますので、年齢・昨年の感染時期・今までのインフルエンザワクチンの接種歴を考慮して、昨年インフルエンザにかかっていても今年2回の接種が勧められる場合もあると思います。
⑥ Q .「新型」が入った予防接種の副反応にはどんなものがありますか?。
A .予防接種の副反応には注射を受けた部位の局所反応(発赤・腫れ・痛み)と、発熱・筋肉痛・全身発疹などの全身反応とがあります。局所反応は年齢が小さいほど出現するリスクが低く、年齢が高くなるほど出現頻度が高くなります。成人では50%の人に局所反応が出現します。全身反応は、成人も子供もまれにしか出現しません。昨年「新型」に感染している人が今年のワクチンを接種すると副反応が強く出るという事もありません。
⑦ Q .インフルエンザのワクチンは、何か他の薬を使っていると接種できないのですか?。
A .心臓・肺・腎臓疾患、糖尿病などで常用薬を使用している方でも、状態が安定していれば、接種に問題はありません。抗生物質や風邪薬をワクチンの接種自体には大きな影響は与えませんが、そのような薬が必要な身体の状態は、ワクチンの接種には適しません。ステロイドを含む免疫抑制剤は、抗体の産生を抑えてインフルエンザワクチンに限らずワクチン接種による免疫獲得が不十分になるため、ワクチンの接種は勧められません。アトピーなどで使われている塗り薬は、全く問題ありません。
⑧ Q .ワクチンを接種したらどれくらいで効果が出て、どれくらい続くのですか?。
A .抗体で評価した場合、接種後2週間目頃から効果が現れ、半年近く効果が持続するとされています。過去に感染歴や予防接種歴の少ない年少児では、過去の免疫学的記憶による相乗効果を期待しにくいため、成人よりも効果の発現がやや遅く、効果の持続も少しだけ短くなる傾向にあるようです。
⑨ Q .昨年「新型インフルエンザ」にかかって辛い思いをしました。今年は「新型」にかからなくてもすみますよね?。
A .一度インフルエンザにかかると免疫ができ、できた免疫による抵抗力は約2年は持続するとされています。この期間は同じ型のインフルエンザウイルスにはかからずにすむと考えられますので、理論上は、「新型」にはかからないと思われます。ただ、「A香港型」や「B型」のインフルエンザに感染する可能性はありますし、また軽症ですむと思いますが、免疫の状態によっては「新型」に再び感染する可能性もゼロではありません。御心配なら、予防接種をされる事をお勧めします。
(平成22年9月16日)