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記事掲載)まいたうん(平成22年4月10日付)

マイタウン今治新聞社の「まいたうん(平成22年4月10日付)」に、今治市の小児科医療についての記事が載っていました。 (http://www.ii-net.org/imabari/mytown/2010/538/538.htmlの10ページ)

休日の小児科当番制は、ほとんど行政の関与なしに今治市の小児科医の努力のみで維持されている「互助会の様なもの」である事(救急ではない事)、崩壊寸前である事が書かれていました。平均年齢64歳の今治市小児科医会の中では若手である私の頑張りどころなのかもしれませんが、夜間・休日に働く事が敬遠される昨今、スタッフの確保にも四苦八苦しています。

ある事件の裁判で裁判所から「夜間、人手や設備不足の所で、救急診療をしてはいけない」との判断が示されたので、救急も含めた夜間診療が出来なくなったとも書いてありました。かつての当院は、元院長が休日でも夜間でも出来る限り診療を行っていました。今治市の子供達の為にと、私達家族との時間も削って働いていましたが、事件に関係してしまった元院長は、裁判所の判断を境に一切の「時間外診療」を止めてしまいました。当院規模の人手と設備では、「時間外診療」は出来なくなってしまったのです。まだ学生だった私に元院長が、「私の時代は終わった」と、ため息混じりに語っていたのを思い出しました。

小児科医も時間外に働けるスタッフも減っていく今後、法的な制限も受けながら子供達の為に何が出来るか、若手の私は悩んでいます。

(平成22年4月15日)