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新型インフルエンザの予防対策

保育所・幼稚園・学校、乳幼児の集まる所は、新型インフルエンザの予防対策に追われています。毎朝体温測定し、37.0℃以上あれば病院受診を勧めるなど、一部過剰に反応している所もあるようです。インフルエンザの簡易検査を希望される方も増えています。インフルエンザ簡易検査キットが無くなることも心配になってきました。

新型インフルエンザワクチンは、既に流行している今も、接種優先順位、接種方法、接種医療機関、価格、公的援助、海外ワクチンの輸入・・・様々な問題が「検討中」です。対応速度はこれで限界なのかと考えてしまいます。
新型インフルエンザのあおりを受けて、季節型インフルエンザワクチンの方も、毎年既に十分量のワクチンが確保できているこの時期でも、いつ・どの位入荷できるかわからない状態です。生産量も少なく、去年までに比べて50~75%の数しか入荷出来ない事態が起きそうです。
新型インフルエンザへの対応が決まらない今、10月に「ポリオワクチンの集団接種」を予定している子供達への対応にも困っています。生ワクチンである「ポリオワクチン」接種後は、4週間予防接種ができません。新型インフルエンザ接種の順番が回ってきても、4週間以内であれば延期しなければなりません。正直、いつ接種できるかさえわからないワクチンに振り回されているように感じてしまいます。

これから始まるインフルエンザシーズンを前に、ワクチンをしたくても出来ない、簡易検査をしたくても出来ない事態が起きる事が予想されます。加えて、タミフル・リレンザが足りなくなる状況もあり得るでしょう。
ポリオワクチンだけではない、他の予防接種時期にも大きく影響しています。
インフルエンザの流行は、まだまだこれからなのです。
この先、どんな恐ろしい事態が待ち構えていることでしょうか。

(平成21年9月18日)