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ワクチンの供給不足

昨日(3月3日)夕方のニュースで、「怖い細菌性髄膜炎に待望のHib(ヒブ)ワクチンが出来るようになりました」と報じていました。5歳未満での感染リスクが高く、年間600人の患者さんが発生して比較的高率に(25%程度)後遺症を残す病気なので、以前から小児科医の間ではワクチンの使用が望まれていました。世界標準からは15年以上も遅れていて、先進国の中で導入されていなかった国は日本だけと言ってもいい状態だったのです。やっと去年の年末、国の許可が下りたのです。

ところが、現在ワクチンの供給量が全く足りていません。今後供給量改善(増加)の見込みはなく、希望をされても速やかに接種できるわけではありません。任意接種ですので、標準的な接種であれば1回¥7.000~10.000の4回接種、合計¥30.000~40.000と高価です。
ワクチンの供給量が絶対的に足りない為に、医療機関は予防接種の存在を広報することもできません。行政も動く事が出来ないのだと思います。

ワクチン接種を希望する方が「ワクチン確保」から始めなくてはならない現状には、早急な改善が望まれます。いえ、早く世界標準に追いついて、無料で接種の機会が得られる「定期接種」に組み込まれるべきだと思います。

(平成21年3月4日)