少し前に、医師免許さえあれば「何科を名乗ることもできる」と書いていたら、「何故、先生はアレルギー専門医なのにアレルギー科って看板に書かないの?」と聞かれました。アレルギー専門医になるには、ベースの専門医(私なら小児科専門医)を取得している事とは別に、5年間のアレルギー専門指導医のいる施設での研修と筆記試験(難しい基礎免疫的知識や稀な疾患を問われる事も多く、もう二度と合格する自信はありません)が必要です。修行ですよね。さらに、5年毎の資格更新規定があって、このために学会参加や勉強も課されます。日常診療をしながら「専門医」であり続けることも大変です。
では、なぜ「看板に書いてアピールしないの?」って話です。
答えは明確、アレルギー自体、私自身が「慢性鼻炎と蓄膿症の繰り返し」だったので勉強し始めたのですが、どんな検査をしても、私の「アレルギー」はわかりません。アレルギーは検査がすべてではないのです。検査で分かる「アレルギー」は一部で、わからないけど「気管や鼻や皮膚が敏感だね」って場合がどんなに多い事か・・・。私自身も含めてそう思います。
「アレルギー科」を名乗れば、確実な診断を期待されるでしょう。診療所では、それを調べる設備も人員も揃えることは不可能です。個人的な無益なこだわりですが、不十分な対応をする前提で名乗りたくはないのです。
今日、私のこの「自分勝手なつぶやき」を読まれた方から、応援の言葉を頂きました。ありがとうございます。怖い雰囲気?のキツイ口調?の私にも、私の「こだわり」と「職人気質」と「くそ真面目」を良しとしてくれている方がいる事を再確認させていただきました。私は、その方達だけにでも、「先生は、勉強し続けた上で考えている」「最新の情報を知った上で」偉そうに?話していると思っていただければ良いと思っています。私の「専門医」は「自己満足」と「患者さんの納得の一助」となれば良いかと思っているのです。