院長の自分勝手な思い

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スマホと脳の発達

最近、赤ちゃんにスマホの動画を見せて、大人しくさせている行為をよく見かけます。動く映像は、赤ちゃんの興味を誘いますので、ギャーギャー騒ぐ赤ちゃんを黙らせるのには効果的でしょう。よくわかります。育児は大変です。綺麗ごとではなく、疲れ果てて、今、休みたい親御さんの気持ちもよくわかります。

視覚脳の比較的発達している幼児になれば、視力などの視機能への悪影響が中心になる事でしょう。一方、脳機能が未発達の赤ちゃんでは、「一方的な言葉の脳への流入」だけでは、「相手の口を見て復唱してまた聞いて・・・」などの言語発達が心配です。

特に私が心配しているのは、画像を見る行為は、「自分自身がのぞき込んだりする機会、見える角度を自分で選択する事、その必要性」が無いというところです。カメラの撮影者が見える方向を変えて撮影しているので、視聴者は、真正面から画面を見ていれば、その「立体感」「他の角度の見え方」は自動的に脳に入ってきます。自ら動いて「その対象物の立体感」を学習する事が出来ないのです。実生活では、自ら動いて視点を変えて、いろんな角度の視覚刺激を脳が分析・合成して「対象物」を確認する必要があります。真正面から見える自動的に作られた立体対象物は、実社会には存在しないのです。視覚から得られる情報を分析する脳の発達、足りない情報を判断し、自ら情報獲得のために動く行為・技術の獲得ができないのではないのか?と心配しています。

スマホの真正面の画像・一方的な音声で育った赤ちゃん、その脳、その将来の視覚能力・言語能力はどんなになっているのでしょうか?心配しています。

令和6年12月1日更新

本日、「16歳未満のSNS禁止」についての議論のテレビを見ました。また、「Vチューバー」に明石家さんまさんがトライするテレビを見ました。仮想現実社会、仮想人物、非現実と現実の混同・・・。なんだか恐ろしい時代になったものだと思いました。バラエティーでしたが、全く笑えませんでした。「クリック一つで人生が終わる」と闇バイトの加害者が語ったとの報道。犯罪もソコココに潜むネット社会。まだ脳が未熟な未成年、特に16歳未満、少々強硬的に分別のある大人が守ってあげないといけない時代なのかもしれません。ネット世界の怖さだけではなく、子供達の脳の発達も大いに心配しています。